今回のゲストは映画『呪怨』シリーズでハリウッド進出も果たし、世界にその名を轟かせた映画監督・清水崇さん。
増本氏とは、共通の知人のパーティで出逢い、その後『怪奇大家族』『輪廻』『幽霊vs宇宙人 ロックハンター伊右衛もん』などの作品でもすっかりお世話に。
つい先日も、その『幽霊vs宇宙人』の上映前に行われた“増本庄一郎&お笑い芸人ショー”というトークイベントで再会したばかり。
共通の知人も多い、そんなお二人に今回はあえてお互い苦手だというボウリングをして、今まで以上にに親交を深めていただくことに。
弱点をさらけ出すことで見えてくるものもあるのではないでしょうか?
− 本日はお忙しい中、ゲスト快諾ありがとうございます! ボウリングが苦手ということですが何年ぶりですか
増本 7年…8年…たぶん21世紀になってからやってないな(笑)。
清水 たぶん3、4年ぶりですかね。昔ボウリング流行った時代ってあったじゃないですか。
増本 僕らの親父とかお袋の世代ですよね。
清水 子供ながらに、やたら連れて行かれたのを覚えてます。

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さてさて、そんなボウリングはかなりのご無沙汰なお二人ですが、果たしてどんな勝負になるのやら。
やるからには真剣勝負してもらわなければ…ということで負けた方には罰ゲームを課すことに。 「負けたほうがお互いの作品にエキストラとして出てもらう」という案が出て盛り上がるものの、よく考えたらそれって作品にとって何の旨みもないことに気づくお二人。 エキストラで出てもらうぐらいならちゃんとした役で出てもらった方が確実に作品にとってメリットになりますよね…。 さらに「負けたほうがお互いの監督作品で助監督を務める」という案が出るものの「周りのスタッフが気使ってしゃあないわ」という理由で却下。 仕方なく罰ゲームは「負けたほうがボウリングのゲーム代を払う」というしょうもないものに決定。 いやいや…中学生じゃないんだから…。 |
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まずは、靴を借りたり、ボールを選んだりすることに。
「ボウリングといえば瓶コーラや」と言って自販機にジュースを買いに行くもののそんな気の利いたものは売っているはずもなく、仕方なくファンタグレープを購入する増本氏。 |
− ゲームを前に意気込みを一言お願いします
増本 ボウリングやるといっつも、すごく良いか、すごく悪いかのどっちかやねん。良い時も長続きせえへんけどな。
清水 始まって3投ぐらいで勝負が決まりますよ。
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なるほど。お互い意気込みと分類して良いものなのか微妙な発言ですが、、、、
さっそく増本氏が先行でゲームスタート! いきなり思い切りよく放り投げた増本氏。 スピードのあるそのボールは1番ピンに当たり、しょっぱなからストライクかとも思われましたけど結果は9本。残念ながらスペアは取れず。 |
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続いて清水さん…と思ったら、いきなり借りた靴に履き替えるのを忘れ、自分の靴のまま投げるところでした。
慌てて靴を履き替えての第1投。 ボールはセンターでもなくガーターでもなく地味に端っこの方をかすり、倒れたのは4本。 帰ってくる清水さんがポツリと「ボウリングの勝利ってもんに執着がないんだよなぁ」 と口にしたのを私は聞き逃しませんでした。 |
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5投目にして両者早くも飽きてきているご様子。
投げては言い訳をし、また投げては何か言い訳をすることの繰り返しが続きます。 その内容は「無理にコントロールしようとするから変な方に行くんだな」といったわかりやすいものから「映画監督ってボウリングはダメなんだよ」といった、根拠のないものまで。 回が進むにつれ、言い訳の声の大きさもよく聞こえないほどにボリュームがダウン。まるで、やる気と比例しているかのようです。 |
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地味な争いではありますが、増本氏リードのままジリジリと引き離していく展開。
一時はその差は20本差まで開き、誰もが増本氏の勝利を疑わなかったのですが、 実は徐々に監督は増本氏のすぐ後ろに迫っていたのです。 |
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結果、コツコツと適度な本数を倒し続けた清水監督は、
まさに昼寝しているウサギを横目にゴールテープを切ったカメのように10投目、 ドラマティックに大逆転することに成功!そして清水監督の勝利で決着したのでした。 しかし勝った喜びもなければ負けた悔しさもない様子の二人。 こんなに流れ作業的なボウリングを見たのは生まれて初めてでした。 |
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− ボウリングお疲れ様でした! 感想をお聞かせください
清水 最初、何でこの人とボウリングしなきゃいけないんだろうって思ってたんですよ。なんかやりたい事とか得意なことってありますかって言われた時、僕UFOキャッチャー得意ですよって言おうと思ってたんですよ。でも、地味すぎるしね。
増本 自分から進んで言うほど得意なんですか?
清水 たまたまゲーセンにいた女子高生が僕がやってるところ見てたらしくて「スイマセンこれ取ってもらえませんか?」って頼まれたことが何度かあります。
増本 そんなに! めっちゃ得意じゃないですか!
清水 でもね、それがビリヤードだったりダーツだったりすればなんか粋でお洒落じゃないですか。
増本 手取り足取り教えてあげられますしね。
清水 それがUFOキャッチャーっていうのがね…。しかも200円ぐらい貰ってそれで取れなかったりした日にゃ「ちょっと待って!もう一回だけ!」なんて言って、自腹で挑戦するハメになったことも何度かあるんですよね。
結局、店員さんにこれちょっと動かしてもらえませんかって頼んだりして…。

− あの…UFOキャッチャーのお話はよくわかったんですが、まだボウリングの感想を聞かせていただいてないんですが
増本 あ、そうか。ボウリングの感想は…集中力が続けばいけるなってことがわかりました。
清水 二人とも集中力なさ過ぎですよね。
増本 なんて飽きっぽいんだと。
清水 僕がジワジワ追い詰めて勝つっていうのが気持ちよかったです。
増本 見事にそうなってましたね。
清水 ああ、オレってコツコツ努力派なんですね。
増本 オレは完全に瞬発力だな。2回連続でストライクとったらもうそれで満足しちゃうからなぁ。
清水 さっきも言いましたけどボウリングというものに対して二人とも勝つことに執着心がなさすぎですよね。
増本 ないない…
− 途中から玉がどんどん速くなってましたよね?
増本 そうやな。
清水 あれがやる気の無さなのか、力が入ってるのかわからないんですよ。
増本 「なんじゃこんなもん!」って自棄になってるだけにも見えますからね。
− 学生の頃の遊びといったら何でしたか
清水 学生の頃はスキーですね。
増本 スキー?
清水 ちょうど苗場でユーミン聞きながらスキー場でナンパしてというパターンに見事にはまった世代ですからね。毎シーズン、春、冬と行ってましたよ。
清水 あれ、意外と騙されるんですよね。スキーウェアとかに…。
増本 どういうことですか?
清水 「あの子、可愛いっぽいから追いつこうぜ」って追い抜いてみたら、おばさんだったりするんですよ。
増本 (やけに頷きながら)そうそう。
清水 「何だよ、あの沢庵ババァ!」なんて言ってね。
増本 沢庵ババァってなんですか?
清水 いやほら、黄色いスキーウェア着てるから。
増本 それちゃんと説明しないとわかりませんよ
清水 で、スキー場で知り合った子と「また必ず東京で会おう」って約束してわざわざ群馬から東京出てきて映画観たりボウリングしたりするわけですよ。
− 増本さんの学生の頃の遊びは?
増本 高校の時はスゴイ忙しかったんで。剣道部やってたやろ、学校も行くやろ、でバイトやってて…
清水 真面目だ。
増本 あと、ジャッキーチェン目指してたから、ぬいぐるみショーのアクションチームやってて、土日は役者の養成所行ってたから。
清水 実は僕も役者の養成所行ってたんですよ、高校の時。
増本 役者スタートなんですか?
清水 芝居も勉強しておきたいとか思って新聞広告に載ってたエキストラ排出だけみたいなとこにね。大きく名前が載ってる有名な人は今は違う事務所で「この人うちから出ました」みたいな。
増本 へぇ〜…。
清水 そんな事務所のオーディション受けて…月二回ぐらい発声練習とか…
増本 発声練習やってたんですか?
清水 やってました(笑)。で、エキストラとかやってもお金も振り込まれずに絶対こんなとこいても意味ないぞと思って行かなくなって、大学でちゃんと演劇を勉強したいと思って演劇科専攻にしたんですよ。だから助監督で業界に入ってから、その事務所の所属でエキストラの子とか来た時には「辞めたほうがいいよ、俺もいたから。動いてくれないし」って教えてあげたりしましたよ。
増本 僕の場合は、中学の時に映画の世界を夢見て、それの準備期間の高校3年間やから…
清水 真面目だなぁ、ホントに。
増本 でも大学の時は東京に来たばっかりで、とにかく楽しかったわ。ZOOとか流行っててCHOO CHOO TRAINですから。だいたいCHOO CHOO TRAINをかけて行ってましたね、苗場に。
清水 スキーとかボウリングとか、そういうものでナンパしようとかそういうのがついて回ると絶対上達しますよね。
増本 そうですね。
清水 映画の学校でも役者の養成所でも多分そうだと思うんですけど、真面目に映画青年で、「オレは素晴らしい映画を撮ってみせる」みたいな奴って、まず現場で助監督とかやってすぐ挫折するんですよ。それより「何となく入ってきちゃったけど絶対女優と付き合おう」とかそういう奴のほうが長続きするんですよ。
増本 邪念があるほうが良かったりしますよね。
清水 だから僕なんかまっすぐな映画青年だったからイマイチなんです。
増本 嘘だ…。
− 増本さんはスキーとかやってましたか?
増本 行ってたよ。同じような感じで苗場に。
清水 遊んでるんじゃないですか。真面目なフリして。
増本 友達がスキーが好きで日帰りで行こうとか言うんだけどそういうのが大嫌いやってん。スキーやったら2泊はせな。夜みんなで貸し別荘かなんか借りてご飯作って「食材は何にする?」とかやったり「何とかゲーム!」とかやるのが楽しいのに、何が悲しくてスキー場にスキーだけ楽しみに行かなあかんねん!そりゃスキーは面白いよ。小学校5年からやってるから一応は滑れるし、芸人になってからスキーの番組もやってたし。
スノボ担当になって。大会にも出たことあるからね。
清水 じゃあ、うまいんじゃないですか。
増本 うまくはないですよ。企画で出さされただけですから。旗をジグザグに滑るくらいです。
− 増本さんの方が清水監督より年上ですか?
清水 全然上ですよ。
増本 僕のほうが3つ上でしたっけ?
清水 え、そんなもんですか?
増本 だって山口雄大監督といくつ違うんですか?
清水 雄大さんは1コ上です。
増本 じゃあそうですよ。僕の2コ下なんで。
清水 (動揺した様子で)そうなんですか…。
増本 なんでそんなにショックなんですか?
清水 5、6コ上かと思ってました。
増本 そんなことない3つですよ。
清水 なんだ…庄ちゃん。
増本 庄ちゃんって言っちゃダメでしょ、3つ上なんですから。何でタメ気分になっちゃったんですか?
− 仕事で最初にご一緒したのはいつですか?
増本 ちゃんと仕事で一緒になったのは『怪奇大家族』っていう連ドラで、それが“清水崇presents”ってことになってたんですよ。4人の監督でやったんだけど、その中の一人が山口雄大監督で、ピッタリの役があるってことで入れて頂いたんですよ。そこがちゃんとした役者と監督としての出会いですよね?
清水 そうですね。でもあれ1話目、2話目は僕が撮るはずだったんですけど、“清水崇presents”と銘打ってるくせに、僕がアメリカ行っちゃってて豊島さん(豊島圭介監督)が代わりに撮ってくれて、僕が撮ったのはギリギリ帰ってきて最後の3話だけだったんです。ずっとそれまで“presents”がいないって言われてたらしいんですけど…。
増本 全然“presents”してないって。
− 撮影中はお会いしてないんですか?
増本 最終話の時はもちろん会ったけど最終話も3話撮らなきゃいけないのにアメリカに戻らなきゃいけないって言うんですよ。途中から「僕このシーン撮ったら行きます」とか言ってるから、あ、また行っちゃうんだって思ってました。
清水 あの時本当に忙しかったんですよね。アメリカのプロデューサーと「どういうつもりだ。戻ってきてくれないと困る」って訴訟沙汰になってたんですよ。
増本 『怪奇大家族』『輪廻』で、今回の『幽霊vs宇宙人』。
清水 なんかどうしても芸人さんやってたってことで、笑いどころを引き出したくなるっていうか、任せたくなるんですよ。
増本 で、いつも言ってるんですけど…あの…結構過酷なんです。清水さんの引き出し方が…。あの…だいたい外人ぶつけてきよるんですよ。
向こう“天然”じゃないですか。外人ってだけで面白いんだから勝てるわけ無いじゃないですか!『怪奇〜』の時もオレの弟役っていうのが何故か外人で、まだ初対面なのに「フッー!」って言いながらハイタッチしてきたりして「…清水さん…キツイっす」って…。こっちがどんな台詞を言おうと向こうは「オニイチャン?」って片言で返してきただけで面白いですからね。で、あと、カットかかるのが遅い!台本にあった台詞とか、リハでやった部分は、もうとっくに終わったのにずっと回してるからな。仕方ないから必死でアドリブで繋ぐんやけど・・・清水 編集してて気づいたんですけど、アドリブどころで増本さんが「カットがかからないから続けなきゃ」って笑いどころに引っ張っていこうとする時、発声が変わるんですよ、お笑いモードの口調に。さっきまで、ちょっと年のいった渋いお父さんとして芝居してたのが急に、昔の芸人さんみたいな口調に。
増本 こっちも命がけやからなぁ。
清水 あぁなると見たくなっちゃうんですよ。カットかけずに、さぁ、どこまで行けるんだろうって。

− 増本さんが清水監督の作品の中で一番好きな作品は?
増本 マジメに?(笑)
清水 言うほど観てくれてないんですよ。
増本 観てますよ。オレはハリウッド版の『呪怨』のほうが好きなんですよ。
清水 どこらへんが?
増本 ん〜どこらへんかな…日本版の『呪怨』と『呪怨2』を観て、ハリウッド版はどうなるんやろって思ったんですけど…観やすかった?
…違うな…何ていうのかな…わかりやすかった…あの…ちゃんと観てる人の整理をしてくれるんです。映画によって「ここは、わからなくていいんだ」っていう作りもあるし、それはそれでいいと思うんだけど、オレは基本的にわかりやすいのが好きなので、スッキリさせてくれるっていうかホラーでもサスペンスでもコメディでもそうだけど、結局、“理由”が無いとっていうか…。清水 それは、アメリカ人の気質に合わせたっていうのもあるんですよ。日本版の『呪怨』の時から僕の中では理屈がちゃんとあったんだけど排除してたんですね。それをアメリカ人の脚本家とプロデューサーと打ち合わせした時に話したら「そんな謎があったのか!」って、アメリカ人はそういうのが好きだからやってくれたほうが絶対ウケるって言われてやったら、日本人にとってもわかりやすかったんですよ。
増本 だからやっぱり知りたいんだなぁ、たぶん。とくにああいう怨念的なものっていうのは何か絶対理由があると思うし
− 最後に今後のご予定は?
清水 まだ見えないんですよね。でも一応『寄生獣』っていう日本の漫画原作のハリウッド映画の撮影が控えてまして、ずっと向こうのストライキ以降、延び延びになってたんですけど、やっと動き始めました。
本人不在トーク(増本氏にいなくなってもらいました) | |
増本氏って清水さんから見て、どんな人? あのね…器用すぎて鼻につく。
清水崇さんプロフィール
1972年生まれ。 ビデオ版「呪怨」「呪怨2」の製作を経て、2001年、「富江 re-birth」で映画監督デビュー。 2002年にはビデオ版「呪怨」を映画化して大ヒット、翌年、「呪怨2」も映画化して大ヒットとなる。 | |
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2004年には自らの手で「呪怨」のハリウッドリメイク版「The Grudge」(邦題「THE JUON/呪怨」)を製作し、日本人監督の実写作品としては初めて全米興行成績No.1を獲得。
2006年には続編「The Grudge2」(邦題「呪怨 パンデミック」)も全米興行収入初登場1位。 現在日本を代表し、世界を怯えさせるホラー映画監督のひとりである。 |
■今回の駅「渋谷」
東京都渋谷区にある駅。
日本全国の若者達が集うといっても過言ではない渋谷駅周辺では大がかりなアミューズメントは意外と少ない。
本日利用宮益坂近くにあるこの施設にはボウリング、ビリヤード&ダーツ、カラオケ、卓球、ゲームセンターと、全ての室内アミューズメントがひとつのビルに集まった、若者達に人気のスポットである。










清水崇さんプロフィール
