『携帯ムービー Directed by S.Masumoto』

芸術の秋…ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

芸術といえば、最近、増本氏が携帯ムービーにハマっているらしいという情報をつかんだ私は詳しいお話をうかがいに増本氏の元へ。

携帯ムービーといっても“持ち運べる映画"という意味ではなくて携帯電話のカメラで撮るショートムービーのことです。
以前から氏が持っている携帯には撮った動画を編集することができる機能がついているという話は聞いていましたが、ショートムービーを撮れるほどとは…。

そんな中、タイミングよく増本氏が近々携帯ムービーを撮影するということなので、今回の特集は『増本氏の携帯ムービー撮影現場に密着!』ということに決定いたしました!

◆撮影2日前。

増本家にて打ち合わせが行われるということで、取材のため訪れた私が増本氏に渡されたのは4ページにわたる台本でした。

携帯ムービーと聞いて、現場で演技指導したりする行き当たりばったりの撮影を想像していた私。
台本まで作られているとは、もうすでにちょっとした映画なんだなぁなどと感心しながら台本をめくってみて、まず驚いたのは、次のページに書かれていた

企画・制作・脚本・撮影・監督・・・・増本庄一郎

の文字。

今回は自主制作の携帯ムービー。
事実上、こういうことになるのもやむを得ないわけです。

そしてさらにスタッフの名前が書かれたページを読み進めていくと… なんと“制作進行"の欄に私の名前が…。

さらに読み進めていくと登場人物の中で“街のカップル・オス"という役まで与えられているではありませんか。
「あの…これは?」
増本氏に説明を求めると

「やる事いろいろあんで」

とのお返事。

そして、この瞬間から携帯ムービーの撮影に向けた、慌しい3日間が始まったのです。

まずは、撮影に必要な小道具の買い出しをしたり
そして、キャストへの衣装の確認をしたり
喫茶店のマスターに撮影の許可を取ったり
などなど…。

いやぁ、映画の撮影って大変なんだなぁ…って、あれ?
自分は取材に来たはずだったのに、いつの間にこんなことに?
しかし、撮影日は明日。そんな事も言ってられません。
“制作進行"として、“街のカップル・オス"として、そしてついでに増本うぇぶの取材に来たライターとして3足のわらじを履いて頑張らなければ…。

増本氏は5足履いてる訳だし…。

◆撮影当日

AM 9:00に増本家に集合したキャストを含めた撮影スタッフ一同。
巨大なガンマイクを抱えた音響スタッフや、見るからにディレクター的な方までいて撮影の準備を進めています…っていうか、これ携帯ムービーでしたよね?
「携帯一つで手軽に」っていうのが売りじゃありませんでしたっけ?。
などといった疑問を抱える僕を他所に、他のスタッフの人たちは厳しい顔つきで己の仕事を慣れた手つきでこなしていきます。
完全にプロの仕事場です。

そんなプロ達の手により撮影はスタート。

この日はとんでもない暑さだったため、ロケの事を考えると不安を隠しきれない思いでしたが、幸いなことに、最初は室内のシーンからの撮影。
そして、増本氏は携帯で撮っているとは思えないほどアングルやカット割りへのこだわりを見せ、撮影は順調に進んでいきます。

印象に残ったのは、現場に緊張感を作りながらも増本氏は撮影の合間には常に出演者に喋り続け、やりやすい環境づくりに徹しているところ。

やがて何とか部屋のシーンは全て撮影終了し、昼ごはんを食べながら午後の撮影について話をしていると、出演者の二人に増本氏から
「俺が初めて撮った自主映画って見せたっけ?」
とのお言葉。

私は似たような状況に5回ほど立ち会っており、増本氏が初めて撮った自主制作映画『鬼』はその度に鑑賞させていただいております。
そして例のごとく鑑賞会はスタート。
ちなみにこの鑑賞会の後は「どやった?」と一人ずつ感想を言わされるのが慣わしとなっています。

全員が感想を発表した後、増本氏から撮影時のエピソードなどを聞かせていただき、30分もの色々な意味でお腹一杯(とても素敵な映画です)な時間を過ごした我々は、ついに地獄の猛暑の中でのロケにいざ出陣です。

◆真の敵

しかし、我々を待っていた敵は暑さではありませんでした。
我々にとっての真の敵とは“携帯ムービー"という撮影手法そのものだったのです。
今まで、室内で撮っていた時は、まるでそれ(携帯)で撮ることが当然のように思っていたため気になることはありませんでした。

しかし、いざ外に出て、人通りの多い表参道で携帯の小っちゃいカメラに向かって真剣に芝居している様子はどこか異様。
道行く人々は一瞬「お、撮影か?」と興味深々で近づいてくるものの、よく見るとカメラマンらしき人物(増本氏)が必死で覗き込んでいるのは携帯電話の液晶画面。
怪しさは抜群です。

それでも意外だったのは例え機材が携帯でも撮影している間は、通行を止めて待っていてくれるということ。
都会の人は冷たいと言いますが、そうでもなさそうですよ。

そしてその後も、私が登場するシーンを撮っている最中に携帯の充電が切れてしまい撮れてなかったなどのアクシデントがありつつも、ついに撮影も残すはあと1シーンに。

◆誤算

ところが予定よりも大幅に撮影時間がかかってしまったため、夕方ぐらいのシーンを撮るつもりが、時刻はすでに夜。
あれほど綿密に練られた撮影スケジュールに沿って進行していたので、その辺の抜かりは無いはず。
なのにどう考えても30分足りないという事態が発生。

「…何が悪かったんやろな?」

移動の車の中で増本氏がふと漏らしたそんな言葉。
その時、みんなの頭の中には昼ご飯を食べながらゆっくり鑑賞させていただいた増本氏の自主映画『鬼』の映像が浮かんでいたに違いありません。

それでもなんとか全てのシーンを撮り終わり撮影はオールアップ!

この日、監督のポジションの増本氏に同行(作品に出演まで)させていただき普段は、役者の部分、そして脚本家の部分、時々、漫才監修などの不思議なポジションも引き受ける増本氏を見ることが多い私ですが、やっぱり『物を作る』という事に対して人一倍の情熱を持った人なんだなぁと、改めて気づかされた一日だったのでした。

◆拭いきれない疑問

そして一日お世話になった増本氏に対して「完成を楽しみにしています」などと、お礼を述べて家路につこうかと思ったその瞬間、氏の口から衝撃の言葉が!!

「明日から編集やで」

えっ!!
翌日、私は数多くの編集機材に囲まれたお部屋で編集作業に同行していました。
そして、その翌日には別の作業場で音編集に立ち会うことに。
まぁ、でも私に与えられた仕事は“制作進行"ですから…。

そして合計16時間もの過酷な編集作業の末、ついに作品は完成!

こんな私でさえすでに、この映像を見て“巣から飛び立っていく我が子を見守る親鳥"のような気持ちになっています。

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ただ、この作品を作りこめば作りこむ程どうしても拭いきれない疑問が一つ浮かび上がってくるのです…。

何故、携帯のカメラで撮影しなければならなかったのか?


さてさて、では皆さんもそんな疑問を心に抱きながら、増本氏の完全オリジナル撮りおろし携帯ムービーをお楽しみください!

増本庄一郎うぇぶ企画 携帯ムービー撮影作品『フライング・ダイヤモンド・アタック』

≪キャスト≫
直 子……照喜名 円
彼……赤松 新
街のカップル(オス)……熊本 浩武
街のカップル(メス)……山本 美由紀

≪スタッフ≫
編集……磯畑 哲也
サウンドデザイン……平間 文人
制作進行……熊本 浩武
企画・制作・脚本・撮影・監督……増本 庄一郎
音楽……佐藤 ヒデキ
制作……ミントアベニュー・エンターテイメント・MANTA
協力……スタジオ・シーズ・コミュニケーション


監督からのメッセージ
「4回観ても面白味を感じない人はそれ以上観ないでください。アラしか見えてこないから」
前回のプレゼントクイズ正解発表
答え…(2) タヒチ
理由…昔TVで見て、「ここ行きた〜〜い!」って思ったのが「ボラボラ島」だったから。
(ただ、本人はボラボラ島はモルディブにある。と思いこんでいたようです。だから、1番でも正解って言ってました)

ご応募いただいた中から抽選の結果
『埼玉県』の『コスヘラース』さんに増本氏のサイン入り『小説版 魁!!クロマティ高校〜それから』をお送りいたします。
たくさんのご応募、有難うございました!
文:熊本浩武

携帯ムービー Directed by S.Masumoto

2007年08月30日

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